クレソンの根っこの不思議

クレソン定植と気づき

種から育てたクレソン、

ハウスの中で大きくなりました。

サイズも大きくなり、

定植しごろになったのでいざクレソン畑へ。

すると、

あれ?

クレソン畑で元気に育っているクレソンと苗のクレソン、

何か少し違う?

という気づきがありました。

今日はそんな根っこの不思議を調べてみました。

自然界とハウス育ちの根っこの違い

先日定植したクレソン、ハウスで苗だった時に比べて葉っぱが減って元気がなさそうになっていました。

それに比べると、前作のこぼれ種から復活したクレソンは元気そうな様子。

何でこんなに様子が違うのだろう?

疑問に思って手に取ってみると根っこの成長が違いました。

ということは、先日のブログで調べた根っこのハナシの通りに

「地上部と地下部は同じくらいの大きさ」

というとおりに、根っこの大きさと同じくらいの量しか葉っぱは育たないのではないか?

という様に想像できました。

根っこと水と養分の吸収のメカニズム

ということで、今回も根っこについて調べてみました。

まずは、前回のおさらい、

 自然界に存在する植物では、土壌中に分散した肥料や水を探すために広く大きな根系を持つ必要がある。一方で、ハウス内では、必要とされる根系は自然界と比較して極めて少量になる。

引用元:農文教 「環境制御のための植物生理」80‐81頁

ということで、ハウスで育苗したクレソンの苗は水や養分を求めて根っこを発達させる必要がなかったので

こぼれ種から芽吹いたクレソンに比べて根っこが発達していなかったようです。

さらに言うと、根っこの水と養分の吸収のメカニズムは、

 根毛を経由しての吸収

水を吸い上げるメカニズムは蒸散である。つまり、水が植物の中を引っ張り上げられているのである。水の吸収のほとんどは、根のもっとも若い部位、特に根の表面積を広げる根毛によって行われている。植物種にもよるが、健全な根には多数の根毛と白色の根端が存在する。

引用元:農文教 「環境制御のための植物生理」80‐81頁

とあるように、葉っぱから水が出ていく力(蒸散)で根っこの先っぽから吸い上げられています。

 水の吸収と養分の吸収は密接に関係している。もし、根が多量の水を吸収すると、根は多量の肥料成分もイオンとして吸収することになる。浸透圧を隔てた片側へのイオンの蓄積により浸透圧が発生し、その部分への水の移動が起こる。これが、植物が水を押し上げる根圧である。

植物によっては、この根圧によって動く水は、最終的には葉の縁から分泌液として排水される。

引用元:農文教 「環境制御のための植物生理」80‐81頁

植物は、水と同時に養分も吸収しているし、養分と水との濃度の差を利用して水の移動の原動力ともしているのです。

まとめ

謎が多く、普段は見えない根っこ。

一番目につくのは定植の瞬間だったりします。

今日の内容をまとめると、

根っこと養水分の吸収

自然界に存在する植物では、土壌中に分散した肥料や水を探すために広く大きな根系を持つ必要がある。一方で、ハウス内では、必要とされる根系は自然界と比較して極めて少量になる。
水を吸い上げるメカニズムは蒸散である。
水の吸収のほとんどは、根のもっとも若い部位、特に根の表面積を広げる根毛によって行われている。
水の吸収と養分の吸収は密接に関係している。もし、根が多量の水を吸収すると、根は多量の肥料成分もイオンとして吸収することになる

個人的には昔豚を飼っていたときに、

餌をあげて腸で栄養分が吸収されるということを意識していたのと同様に、

植物の根っこも、自分の腸の中と同じと思ってイメージしています。

根っこは普段見えなくても、葉っぱや成長の度合いなどが状況を表すパロメーターかな。

植物の状況を判断できるようになるためにも、植物の生理を知っておくのって大事ですよね。