牧草牛とは?命名、評価の理由、魅力について 

牧草牛を知っているか?

就農してもう5年目?6年目?

しばらく時間が経ってしまいましたが

もともと就農前は野菜ではなく畜産をしたいと準備していました。

とくにやってみたいと思っていることが

グラスフェッドビーフ

日本語で言うと牧草牛というお肉をつくりたいと思っているんです。

最近野菜を育てることが手いっぱいで、

畜産の話をしなくなっているので

今日のブログでは「牧草牛」について書いてみたいと思います。

説明、牧草牛。

牧草牛とは聞き慣れない言葉かもしれません。

もともと牛肉はそれほど食べたことがなかった僕ですが、

一度牧草牛を食べさせてもらって、その美味しさにビックりしました。

牛の脂が苦手だったのが理由であまり得意でなかった牛肉がこんなに美味しいものだと驚きました。

牧草牛とは斎藤先生の命名した牛肉です。

機能性医学を提唱する医師の斎藤糧三氏は、牧草で健康に育った牛肉を、万人に勧めるタンパク質源とし牧草牛と名付けた。「様々な病気を生活や食事の改善で治療するのが機能性医学。牧草牛はオメガ6とオメガ3の脂肪酸比率が1:1と理想的で亜鉛やミネラルも豊富なスーパーフードです」。

引用元:鹿児島大学 「美味しく健康な牧草和牛で畜産業を革新する~鹿児島大学農学部・後藤貴文教授~」

牧草育ち。

このことが美味しさの秘密でした。

私達が日常的に食べてきた牛肉は、ほとんどが穀物肥育牛(グレインフェッドビーフ)。もともと草食動物である牛に穀物を与え、牛舎の中で脂肪を蓄えさせた牛です。一方、牧草飼育牛(グラスフェッドビーフ)は自然環境のもとで放牧され、牧草だけを食べて健康に育ちます。その肉質は赤身がとても多く脂肪が黄色いのが特徴。栄養価が高いうえ、しっかりした歯ごたえと自然を凝縮したような肉本来の旨味が魅力。ドクター斎藤は国内でもいち早くこの健康牛に注目し、「牧草牛」と名付けました。

引用元:SAITO FARM 牧草牛について

世界的にも牧草で育った牛肉は高い評価を受けています。

「ステーキ・レボリューション」というドキュメンタリー映画で、

世界最高峰の牛肉について知ることができます。

この映画、おススメです。

なぜ牧草で育った肉が高い評価を得ているのか?

この映画「ステーキ・レボリューション」関連の情報から、

なぜ牧草で育った肉が高い評価を得ているのか?

その答えのような部分を2つ引用します。

一つ目は、フランスで最高と呼ばれる肉職人の話。

パリで最高の肉職人ユーゴ デノワイエ本人に、「旨い肉」の条件を訊いた。

「私は17年以上前からずっと、ナチュラルに育った牛だけを扱ってきました。整った自然環境とよい草、よい水は欠かせません。同じ放し飼いといっても、1頭あたり1ヘクタールの広さが最低限必要です。そして当然、何を食べるかも重要です私の店で扱っている牛たちは、穀類と牧草しか食べていません。アメリカ牛のように大豆を食べると、どうしても肉に豆の味がついてしまうからです。それにその大豆はいったいどうやって作られたのでしょうか? 大量生産された飼料がカラダにいいわけがありません。さらにいうと、そうして作られた飼料はおそらく環境に負担をかけて生産されていることが多いでしょう。地球のことを考えると牧草が一番なんです。大量生産の時代だからこそ、私はエコロジーの基本に立ち返っているのです」。

そういうとスマホを取り出し、ラギオール(フランス東部)のとある牧場の写真を見せてくれた。そこにフランス原産のリムーザン種の牛が放し飼いになっている。 「和牛をどう思いますか?」と思わず訊いた。ラギオールの牧場とはまったく違う環境に育った日本の牛の肉を、この職人がどう評価しているのか知りたかった。 「松阪牛も好きだし、黒毛和牛もいいんじゃないかな。でも、やっぱり豆の味が気になりますね。赤牛は少し水っぽい。短角牛はちょっと硬さを感じました。いい牛を育てるのには、とても時間がかかるものです。

引用元:GQ ギャラリー 「パリの肉職人に訊く「ウマい肉」の条件

そしてもう一つは、美味しいステーキを求めて世界中を旅して、最終的には自分で牛を育てることにチャレンジした人の話。

氏がそれまで食べてきたお肉の中で、最も美味かったのは牧草を食べて育った牛、最もまずかったのも牧草を食べて育った牛だったそうです。

なぜ同じ草肥育でここまで差が出るのでしょうか?考えられる原因としては次のようなことが挙げられます。

解体までの肥育が不十分で仕上がっていなかった、食べた草の種類が適切でなかった、脂肪の少ない身を乾燥熟成させる期間が長すぎたことでカビが浸透して肉に不快な風味を持たせた、味を悪くする作用を持つ真菌に感染したイネ科のウシノケグサという草を牛が食べた、春に食べた草がたんぱく質過多かつ炭水化物不足だったせいで、食肉科学者の言う「異臭」が牛肉に残った、草肥育に不向きな「大陸産」のリムーザンやシャロレーだった、解体時期に牛の体調が悪く、脂肪が増加ではなく減る傾向という味を著しく落とす状態にあった。
引用出典:ステーキ!世界一の牛肉を探す旅より

つまり、草肥育で美味しい牛を育てるには、膨大な専門知識が必要なのです。土の種類や質、雨や日光の量、時期などによってエネルギー量が大きく変化するのが草の難点です。

牛を草で仕上げるなら、熟練の牧草職人が必要なのです。それに引きかえ穀物はこれ以上ないぐらい単純にして明快。何月だろうと同じ栄養価の餌をあたえることができます。ただしとうもろこしなどの穀物で育った牛では草肥育で育ったような味の深みが出ない。

引用元:映画ステーキ・レボリューション 肉コラムvol,4 自分好みの理想の牛を育てるとしたら?

この2つの引用文からわかることは、

大量生産・大量消費や規格化・画一化という概念と牧草牛との相性の悪さ。

そしてそんなデメリットがあっても熱狂的に美味しい肉を求める人が世界中にいるということです。

まとめ

以上、牧草牛について調べてみました。

まとめると、以下のようになりますかね。

牧草牛とは

●草で健康に育った牛肉を、万人に勧めるタンパク質源とし牧草牛と名付けた。「様々な病気を生活や食事の改善で治療するのが機能性医学。牧草牛はオメガ6とオメガ3の脂肪酸比率が1:1と理想的で亜鉛やミネラルも豊富なスーパーフード」
●「旨い肉」の条件:ナチュラルに育った牛だけを扱ってきました。整った自然環境とよい草、よい水は欠かせません。同じ放し飼いといっても、1頭あたり1ヘクタールの広さが最低限必要です。そして当然、何を食べるかも重要です私の店で扱っている牛たちは、穀類と牧草しか食べていません。アメリカ牛のように大豆を食べると、どうしても肉に豆の味がついてしまうからです。
●『ステーキ!世界一の牛肉を探す旅』の著者、マークシャッカー氏がそれまで食べてきたお肉の中で、最も美味かったのは牧草を食べて育った牛、最もまずかったのも牧草を食べて育った牛だったそうです。

牧草牛だけではわかりにくいので、次回は穀物で育つ牛について書いてみようかな。

九州でもチラホラと放牧牛や牧草牛を育てている人の話をお聞きします。

七花ファームでも最高の牧草牛をつくれるように頑張らなきゃ!

牛を育てられるまでは、お肉と最高にあう野菜たちを作っていきますので

よろしくお願いします。

クレソンもお肉との相性抜群です。

最近のクレソンはこんな感じです。

読んでくれてありがとうございます。

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