グレインフェッド・ビーフとは

牛肉のフェス屋ー(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

全国和牛能力共進会。

5年に一度開かれる和牛の祭典。

今年は鹿児島でおこなわれました。

知り合いも遠方からくるという連絡をもらったので、

行ってまいりました。

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興奮冷めやらぬところもあり、

牛の話についてブログにしようと燃えているヒロアキです。

牧草牛とは何かについて以前のポスト(牧草牛とは?命名、評価の理由、魅力について)で説明しましたが、

牧草牛の反対、一般的な牛肉であるグレインフェッド・ビーフ(穀物牛)について説明しないと

イマイチ伝えたいことが伝わらないかな?と思い、

牛の話ということで、

今日のブログではグレインフェッド・ビーフについてまとめてみたいと思います。

過半を占める輸入牛の状況

グレインフェッド・ビーフ = 慣行の牛肉生産、

つまり現在一般的に行われている牛肉の生産方式のこととなります。

長い年月をかけて出来上がった生産方式であるため、

ヒトコトで説明するのは難しいので、

今日のブログでは、

現在牛肉の消費量の過半を占めている輸入牛肉、

つまり欧米の牛肉生産についてまとめてみます。

●欧米の牛肉生産方式

日本とは、気候も環境もウシの品種も飼育方式も異なる欧米の牛肉生産について。

その特徴について「牛の科学」より抜粋します。

欧米の牛肉生産は、一般的に交雑種を用い、若齢(18か月齢位)で出荷する肥育方式が多く、肥育効率と赤身生産を優先させている。

さらに飼料の違いによってグラスフェッド(grass fed:放牧による牧草肥育)とグレインフェッド(frain fed:穀物併用による肥育、我が国の肥育もこれに入る)に分けることができる。

オーストラリアからの輸入肉はグラスフェッド中心で、米国からの輸入肉はぐグレインフェッド中心であり、それぞれコストや価格、肉質も異なっている。つまり、グレインフェッドは脂肪交雑(多~少)が入り、価格は高めで、グラスフェッドは赤みで価格が安いのが一般的である。

なお、現在では輸入肉は、我が国の牛肉消費の過半を占めている状態になっている。

引用元:朝倉書店 牛の科学 108頁

●オーストラリアの牛肉生産

豪州ブリスベン近郊のスタンブローク社

こちらのスタンブローク社という会社がオーストラリア最大の面積を持つ肉牛生産会社です。

フィードロットや広大な放牧地の写るホームページトップの動画は必見です。

参考サイト:豪州北部の大規模肉牛経営の特徴と概要

豪州北部の大規模肉牛経営の特徴と概要

北部地域の肉牛生産は、全体の経営戸数が圧倒的に少ないにもかかわらず、経営規模の面で南部地域を大幅に上回っているため、豪州の牛肉生産量全体の24%を供給している。

 豪州の肉牛生産は、一部の穀物フィードロットを除き、基本的に放牧が主体で
あるが、南部地域では何らかの改良を施した草地が多いのに対し、北部地域では
まったく手を加えていない自然草地での放牧が大部分を占めている。これは、個
々の経営面積が極めて広いため集約的な草地管理は不可能であり、また、コスト
的にも合わないためである。
放牧主体である以上、改良草地か自然草地かの違いを問わず、牧草の供給が量・質ともに天候に大きく左右されるのは避けられない。特に、雨季と乾季の区分がはっきりしている北部地域では、雨季の降雨量と降雨のタイミングが、その年の牧草の生育に決定的な影響を及ぼしている。

 北部地域では、雨季・乾季の相違が明確なため、肉牛生産も季節性が高いという特徴を有している。夏の雨季(12月~4月)は潤沢な水と草を利用して放牧・自然交配による繁殖、育成、肥育を行い、冬の乾季(5月~11月)に牛群を集めて選別、出荷するというのが基本的なパターンである。乾季に行われる肉牛の囲い込み、選別、標識装着、出荷などの一連の作業は「マスタリング」と呼ばれ、通常、年2回、乾季の初めと終わりごろに行われる。雨季の間、広い牧場内に分散していた多数の肉牛を、ヤードと呼ばれる作業用の狭い牧区に追い集めるのはそれだけでも大変な作業であるが、これらを手際よく選別し、標識装着、出荷するのは相当の熟練を要する大仕事になる。大規模な牧場では、乾季の間、専門の牧童たちがグループごとに移動しながらキャンプし、牧用犬、乗馬、オートバイ、四輪駆動車のみならず、場合によってはヘリコプターや小型飛行機まで利用して牛群を追い集める。なお、ジャッカルー(男性)、
ジラルー(女性)と呼ばれる若い牧童たちのトレーニングも同時に行われている。

引用元:独立行政法人農畜産業振興機構(alic) 豪州北部の大規模肉牛経営の特徴と概要

●アメリカの牛肉生産

肉用牛の生産構造は、肥育もと牛(子牛)を生産する繁殖部門と、肥育もと牛をと畜場
に出荷するまでフィードロットで肥育する肥育部門に大別される繁殖から肥育までを一貫経営する垂直統合化はあまり進んでおらず、繁殖部門と肥育部門は別々の農家により営まれているのが通常である。

① 繁殖農家(cow-calf operation)
繁殖農家は、基本的に広大な草地における周年放牧を中心とした飼養方法に拠っており、日本のような舎飼いではない。前述の通り、全米各地に比較的広く存在している。また、飼養されている肉用牛のほとんどは交雑種であり、肉用繁殖雌牛への種付けについては、雄牛を繁殖雌牛の群れに入れることによる自然交配が大半を占めている。
② 肥育農家(feedlot)
肥育農家は、フィードロットと呼ばれる屋外の肥育場において、肥育もと牛をロットに分けて、1つのペンにつき数十頭から百数十頭収容し、一般的には100 ~ 230日程度の期間濃厚飼料を中心に給餌し、体重を約1300ポンド(約590キログラム)にまで増加させ、パッカーへ出荷する。

引用元:独立行政法人農畜産業振興機構(alic米国における牛肉生産の産業構造~消費・輸出入の動向まで~

cow-calf operationの様子を映した動画を貼り付けます。

カウボーイの世界ですね(*’▽’)

牛が成長して、ところ変わってfeedlotで肥育されます。

feedlotの様子を映した動画もありました。

参考サイト

米国における牛肉生産の産業構造~消費・輸出入の動向まで~

⽶国酪農・⾁⽤⽜業界の展望 〜2022年農業アウトルック・フォーラムから〜

消費者の求める需要に対して揺れる米国の畜産業界

どこのお肉を食べるのか?

巨大なパッカーになると、

需要のある国に好まれる肉をチョイスして販売することで、

高い価格での販売をおこなうそうです。

アメリカではステーキ用などの部位を、

日本や中国などのアジアへは内臓やカルビなどを販売するという特徴があるんです。

グローバリゼーションって感じですね(; ・`д・´)

まとめ

牛丼などなど、いろいろお世話になっている輸入牛肉。

今日はそんな輸入牛肉がどんな生産のされ方をしているのか調べてみました。

次回は日本の牛肉について書いてみようと思います。