「アグリビジネスは国内総生産額(GDP)の10%を占めている。」
ご存じでしたか?僕は知りませんでした。
かつて日経新聞の「日本の農業の生産額は日立グループ1社の売上高に及ばない」という記事を見て、ちょっと複雑な気分になったのを払拭できる話題だと思いました。
人吉にて
さて、冒頭から説明不足な書きだしになりましたが、去る11月12日・13日の両日、熊本県人吉市の中小企業大学校人吉校で「次代を担う中堅・若手農業人財養成コース」の第一回をゆかりさんと二人で参加してきました。
現在の農業を取り巻く社会経済状況や最新の経営事例など幅広く膨大な情報をコンパクトにまとめた講義でした。インプットしたならばアウトプットをするべき!ということでこのブログでアウトプットをして記憶の定着をと思うんですが、今回は全3回に分けてアウトプットしていきたいと思います。なにぶん膨大な情報量だったもので(´・ω・`)
農業ビジネスの現状と未来
今日取り上げるのは「農業ビジネスの現状と未来」について。内容はカリキュラムから抜粋すると、
農業ビジネスの現状と未来
講師:中村学園大学学長 九州大学名誉教授(農学博士) 甲斐 諭
内容:●農業ビジネスを取り巻く環境の変化(法律・経済、技術(ITを含む)、消費者・関係者、海外の動向など)●農業ビジネスに取り組む先進事例●これからの農業ビジネスに求められるもの
引用元:中小企業大学校 人吉校 №136
と、なっています。そして今回特に注目したポイントが冒頭の部分、
「アグリビジネスは国内総生産額(GDP)の10%を占めている。」
です。アグリビジネスとは何か?現状と特に川中と呼ばれる流通業界の部分について振り返りたいと思います。
アグリビジネスとは?
アグリビジネスはいろいろなところで耳にする言葉ですが、理解があいまいなところがありました。ウィキペディアでは、
アグリビジネス(英: agribusiness)とは、農業に関連する幅広い経済活動を総称する用語である。
1950年代後半に、ハーバード・ビジネス・スクールのR.ゴールドバーグが、アメリカ合衆国の食料生産システムについて、農業資材供給から生産・流通・加工に至るまでを垂直的に説明するためにこの用語を使ったのが最初である。文字通りアグリカルチャー(農業)とビジネス(事業)を組み合わせた造語で、アグリビジネスに含まれる領域は農業機械・農薬・肥料などの農業資材、品種改良、株式会社の農業参入、農産物の流通・貿易・加工など多岐にわたる。
引用元:ウィキペディア 「アグリビジネス」
と定義されています。下の図は食料農業農村白書から引用したものです。
アグリビジネスが昭和55(1980)年から平成23(2011)年の30年間でどのような変化があったのかをまとめると、
- 流通・加工の各段階で加工経費、商業マージン、運賃、調理サービス代等が付加価値が付けられて、国内で生産された9兆2千億円に輸入品を加えた10兆5千億円の食用農林水産物が最終的に76兆3千億円となって消費されています。
- 昭和55(1980)年と平成23(2011)年を比べると、国内の農業生産額は減っていますが最終的な国内消費額は154%に増えています。
- 卸売市場の取扱金額は、直売所やインターネット販売等の様々なチャネルによる卸売市場外流通の増加により、9兆2千億円から6兆7千億円へ減少しています。また市場経由率は青果では86%から60%まで減少しています。
という3点になります(引用元:平成29年度食料農業農村白書 第6節 食品産業の動向)。今回特に気になったのは3つ目の卸売市場外流通の増加についてです。
卸売市場と卸売市場外流通
なぜ卸売りと卸売市場外流通について気になったのか?
それは卸売市場外流通といわれる直売所を中心とした販売を行っているから。
ここで、卸売り市場の役割りについて確認しておきましょう。下の図をご覧ください。
そうです。野菜や果物の値段って、市場で決まるんです。市場を通すってことは農家側には価格の決定権はないんですよね。神の手に委ねられてしまうわけです。
まとめ
大量の商品を半日ほどで集めて必要な店に分けていく市場のメリットは大きいと思います。しかし右から左に流すように何か所か市場を経由してしまい、いったいいつ収穫されたのか分からないということもあるデメリットもあるのではないでしょうか。
「小ねぎは新鮮さが命」という作っている作物の特性も併せて、市場を通さない流通の良さを大事にしたいなと感じた講義でした。
長くなりましたが読んでくれてありがとうございます。今日がよい一日でありますように心から願っています☆
参考動画
「卸売市場の役割りと仕組み」
時間のある人はコチラもどうぞー