カルシウムと植物の関係

今朝の朝焼け

先日の雨から少し空の様子が変わりました。

曇りがちで、早朝から晴れることが今週は少ないですね。

パクチーのチップバーンその後

先日のブログで、「パクチーの異変」を書きました。

すると、この症状の名前をSNSで教えていただきました。

ありがとうございます!

チップバーンというそうです。

パクチーの葉が枯れている。よく見ると先端から色が抜けていっている。外葉からではなく内側の若い葉っぱから異常が起きている。22.4.20

チップバーンとは、

チップバーン

よみ:ちっぷばーん

英名:tipburn

イチゴや葉菜類の新葉の葉縁や萼片の先端が焼けたように褐変枯死する生理障害。葉面積の減少、収穫部位の商品価値への影響など症状がひどい場合には収量低下にもつながる。カルシウム欠乏が第一の原因とされている。

引用元:ルーラル電子図書館 チップバーン

ということで、カルシウム欠乏がチップバーンの原因だそうです。

パクチーのチップバーンはこんな感じです。

この写真で、カルシウムの葉面散布をおこなって少しずつ症状がおさまってきています。

カルシウムの分配

カルシウム欠乏という生理障害。調べてみると土壌のカルシウム不足だけが問題ではないようです。天気の変化や急激な成長によってもカルシウム欠乏が引き起こされるようです。

カルシウム不足が起こる原因の一つとして”蒸散”がかかわってきます。カルシウムは植物の中に取り込まれる方法が、水分と一緒に吸収されるという特徴があります。雨が続いた後に急に晴れるようなときなど、天候の変化でカルシウム欠乏に陥ることもあるようです。

カルシウムと植物の関係について調べてみました。引用します。

生理障害とは、”生理的要因に由来する異常”と言われている。例としては尻腐れ果、チップバーン、新葉の縁またはその全体の壊死などがある。野菜や花きにおける生理障害のかなりの部分は、カルシウムの欠乏に関係している。植物体内にはカルシウムが移動しにくい部位(蒸散の少ない果実や若い葉など)があるので、カルシウムの移動を意識して葉と果実の蒸散を管理することで、潜在的な生育低減リスクを抑えることができる。特に夜間に過蒸散にならないように管理することがポイントである。

カルシウムの吸収や移動は水の吸収や移動と同時に行われるので、吸水が抑制されるとカルシウムの吸収が減り、蒸散の少ない果実や若い葉にはカルシウムの移動も少なくなる。

問題はカルシウムの特別な性質によって引き起こされている。この元素は、水の流れに強く依存して動き蒸散がもっとも活発な部分に多く行き着く。そして、カルシウムの再移動はほとんど起こらない。また、水分が欠乏していくような部位から師管を通じて再輸送されることはない。この事実は、裏を返せば、十分蒸散する部位においてはカルシウム欠乏の問題は起こらないということである。

引用元:農文協 環境制御のための植物生理 

まとめ

以上、今日は植物のカルシウム欠乏の症状と、カルシウムと植物の関係について調べてみました。

これまで栽培していたネギやホウレンソウなどではカルシウム欠乏を経験したことがありませんでしたが、

パクチーではカルシウム欠乏症が発生しました。

植物の生理も複雑で、簡単にイメージできるものではありませんね。

カルシウム

●野菜や花きにおける生理障害のかなりの部分は、カルシウムの欠乏に関係している。
●カルシウムの吸収や移動は水の吸収や移動と同時に行われる
●十分蒸散する部位においてはカルシウム欠乏の問題は起こらない