研修アウトプット 緑の食料システム戦略

気付いていませんでした。

農業も新しい方向へ動き出しているんですね。

今日は研修アウトプット・ブログ

先日、研修に参加してきました。

いろいろ学ぶものは多く、参加した甲斐があったなーと思う研修会でした。

特に印象に残っている「みどりの食料システム戦略」について、今日はアウトプットしようと思います。

青壮年部 研修会にて

さて、なんの研修会で、誰に話を聞いてきたのか?というと、

農協青壮年部のweb上で開催された研修会にて、

今日取り上げる話題の講師は、参議院議員の藤木しんや氏が東京から話してくれました。

さすが現役の議員さんだけあって、リアルタイムで東京の国家機関の動きを伝えてくれました。

そこで一番気になった「みどりの食料システム戦略」って、皆さんご存じですか?

先日ニュースになっていて、名前だけは聞いているという方も多いと思います。

かく言う僕も、2050年に有機農業を25%まで増やすのかー

ぐらいの認識でニュースを聞いていました。

有機農業だけではなく、農業自体が変化を求められていきそうです。

みどりの食料システム戦略とは

ここからは、みどりの食料システム戦略とは何かについて調べてみます。

端的に言うと次のようになります。

去る5月12日、農林水産省は「みどりの食料システム戦略」という、日本の農業30年先を見据えた長期的なビジョン(以下「戦略」とする)を正式決定した。

農業による環境負荷の低減と生産基盤の強化をめざして示された「2050年までに目指す姿」は、「農林水産業の二酸化炭素排出実質ゼロ」に始まり、有機農業を全農地の25%(100万ha)に拡大、化学農薬の使用量半減、化学肥料の使用量3割減などを掲げた。

引用元:農文教の主張 2021年7月号

日本の農業30年先を見据えた長期的なビジョン、

農業による環境負荷の低減と生産基盤の強化を目指して示された2050年までの目指す姿、…

抽象的でわかりにくいですね。

もう少し具体的な説明を調べてみましょうか。

「みどりの食料システム戦略」という言葉をご存じですか?



これは農林水産省で検討が進められている日本の食料システム戦略のことで、

生産から消費までサプライチェーンの各段階において、新たな技術体系の確立と更なるイノベーションの創造により、我が国の食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションでの実現をはかる「食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現」を目指しているものです。

戦略は、調達、生産、加工・流通、消費の4つのカテゴリーに分けられ、それぞれに具体的な取り組み内容が示されています。

引用元:JAcom みどりの戦略

「イノベーションで実現をはかる」ということで、農業の現場には直接関係なさそうですが、どうですかねー

より具体的に気になる部分をみてみようと思います。

まず、調達です。その内容は、「資材・エネルギー調達における脱輸入・脱炭素化・環境負荷軽減の推進」です。

具体的には、3つの取り組みが掲げられています。

1つめが、持続可能なエネルギーの調達、

2つめが、地域・未利用資源の一層の活用に向けた取組、

3つめが、資源のリユース・リサイクルに向けた体制構築・技術開発です。

引用元:JAcom みどりの戦略

図の左上の部分の調達についてですね。

小規模水車や太陽光発電あたりが現在行われている取り組みです。

続いては図の右上、生産について。

生産についてご紹介します。

その内容は、「イノベーション等による持続的生産体制の構築」です。

具体的には、6つの取り組みが掲げられており、1つ目が「高い生産性と両立する持続的生産体系への転換」、2つ目が「機械の電化・水素化等、資材のグリーン化」、3つ目が「地球にやさしいスーパー品種等の開発・普及」、4つ目が「農地・森林・海洋への炭素の長期・大量貯蔵」、5つ目が「労働安全性・労働生産性の向上と生産者のすそ野の拡大」、6つ目が水産資源の適切な管理です。

この6つの取り組みには、5つの期待される取組・技術が例示されており、農業界担うべき役割も大きいものです。

引用元:JAcom みどりの戦略

この「5つの期待される取組・技術」で気になった点を紹介します。

「農林業機械・漁船の電化等、脱プラ生産資材の開発」です。前半は文字通り農業機械を「電化」することです。電気自動車と同様にモーターで動く農業機械を開発することです。トラクターなど大きな力を必要とする機械の電化には、高性能な電池が必要になりますが、現行のリチウムイオン電池より強力な水素電池の方が農業機械には向いているように感じます。ただし、いずれも従来よりもかなり高いコストとなる見込みであり、どこまで電動農機のコストを抑えられるかが開発の肝になると考えられます。

次に、「脱プラ生産資材の開発」です。農業で排出量の抑制が課題となっている主なプラスティック製品は、農業用マルチと被覆肥料の2つです。農業用マルチは、生分解性プラスティックを使用した製品が既に開発されていますが、さらに高機能で安価なものが求められています。被覆肥料は、肥料成分を徐々に放出する機能と被覆の分解性は相反する機能であるため、開発のハードルが高いと考えられています。被覆肥料を使用しないで済む省力施肥体系の検討や、より高機能なバイオプラスチック(生分解性・高強度化)の開発が進められています。

引用元:JAcom みどりの戦略

講師の先生が話していたのは、ビニールに関しては早い時期に取り組みが始まるだろうということでした。

なぜなら、使った後の廃ビを輸出できなくなっているという現状があるからです。

農業用マルチはとても一般的に使われているものです。

近くの農協からほとんどのホームセンターまで、日常的に目にする商品です。

とはいえ、現在買い物袋の有料化も法律になって施行されて、あたりまえになってきました。

マルチの値段が上がるということで、生分解性マルチが一般的になる未来がもうすぐそこに来ているのでしょうね。

まとめ

どうでしたでしょうか。

「みどりの食料システム戦略」、日本の農業30年先を見据えた長期的なビジョンをうたっているだけあり、野心的な取組が多いようです。

みどりの食料システム戦略

●「みどりの食料システム戦略」という、日本の農業30年先を見据えた長期的なビジョン
●生産から消費までサプライチェーンの各段階において、新たな技術体系の確立と更なるイノベーションの創造により、我が国の食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションでの実現をはかる
●戦略は、調達、生産、加工・流通、消費の4つのカテゴリーに分けられる
●【調達】その内容は、「資材・エネルギー調達における脱輸入・脱炭素化・環境負荷軽減の推進」
●【生産】イノベーション等による持続的生産体制の構築
●【加工・流通】ムリムダのない持続可能な加工・流通システムの確立
●【消費】環境にやさしい持続可能な消費の拡大や食育の推進

日経新聞で「みどりの食料システム戦略」について調べてみましたが、一般紙の報道は現在0.5%の有機農業を25%に拡げることが中心で取り上げられ、EUと日本の有機農業の違いという評価が主なものに感じました。

菅首相の就任演説で発表したカーボンニュートラルに向けて、農林水産省が動き出したようです。

「社会が変われば経済が変わる」ということで、これから農業もカタチを変えていくようです。