コロナウイルスってなんだっけ?
今週コロナウイルス新規感染者が急増していることがニュースでよく耳にするようになってきました。怖いなーと思いながらニュースを聞いていてふと気づいたんです。
あれ、コロナウイルスってなんだっけ?
今知っている情報を思い浮かべると、
- 新型のコロナウイルスで、
- まだ治療薬がなくて、
- 感染力が強くて、
- 症状がひどくなると死亡する恐れがあるウイルス
なんかボヤっとしていてどんな病気で何が恐ろしいのか、具体的に理解してないんじゃないか!と気づきました。
正しく知って正しく怖がろう
こんなフレーズがテレビでよく耳にしていたのも今はむかしという昨今の状況なので、少し調べてみました。
コロナウイルスとは?
大阪大学大学院医学研究科教授 中野徹さん
まずは仲野 徹/大阪大学大学院医学系研究科教授のコラムから。本文が長文なので要約してみました。素晴らしいコラムなので時間のあるかたは是非本文もご覧ください。
①目算が違っているのはSARS-CoV-2(コロナウイルス)についての情報、新型なのですから、最初は皆無なのはわかります。しかし、ウイルスが見つかってから半年近くもたてば、いろいろなことが明らかになって、対処しやすくなるのではないかと思っておりました。それがどうでしょう。いまだに正確な感染率はわからないし、免疫が成立するかどうかすら確証がありませぬ。
②天然痘との比較
天然痘(天然痘は1980年に撲滅):ワクチン(種痘)があったこと、症状を呈さない感染である不顕性感染がないこと、そして、人間以外に感染しないこと、が三つの大きな理由です。ワクチンができるかどうかわからない、というのは、SARS-CoV-2の感染では再感染があるのではないかとも言われているからです。再感染する、ということは、とりもなおさず、SARS-CoV-2に対する免疫能を獲得できていないということになります。ウイルスの種類によっては有効な抗体ができないこともありえます。これについては、SARS-CoV-2がそのようなウイルスでないことを祈るしかありません。
不顕性感染すると、知らない間に免疫能が獲得されます。症状が出ずに免疫がつくのですから、ありがたいことです。たしかに、その個人にとってはありがたいことですが、不顕性感染している本人が知らぬ間に周囲の人たちに感染させるリスクがあります。実際のところ、その率がどれくらいあるかはわかっていませんが、SARS-CoV-2の場合は大きな問題と考えられています。そのせいで、周囲のみんなを感染者として見なさねばならないのです。
SARS-CoV-2については、ウイルスの遺伝子解析から、おそらく元々はコウモリに感染するウイルスだったのではないかといわれています。
③急速に重症化する、ということがいわれています。不思議だと思っていたのですが、そのひとつの理由は、肺炎が進んでいるのにあまり息が苦しくならない。だから、自覚的に大丈夫と思っていても、危機が差し迫っていることがあるためのようです。
④まとめ:「(あまり)病気をしない暮らし」的には、ワクチンが1日も早く開発されることを祈りつつ、三つの密を避けながら、マスクをして小まめに手洗いをする、に尽きます。それから、咳エチケットも忘れずに。ウイルスごときの自己複製子に対して、「闘う」といっても、それくらいしかできません。これでは、「闘う」じゃなくて「逃げまくる」ですよね。なんだか悔しいけれど、しかたありません。
緊急事態宣言が延長されて、がっくり来ている人が多いでしょう。しかし、ここは気持ちを強く持って生きていくしかありません。宇宙船という狭い空間に長期間にわたって閉じ込められていた宇宙飛行士たちは、口をそろえて、制限された環境では規則正しい生活をと勧めています。早寝早起き、それから、散歩とかで生活のリズムを作る。そして、養生訓にあるような節制もして、苦難の日々を健全に乗り切りましょう!
引用:あまり)病気をしない暮らし 第32回 新型コロナの困ったところ
仲野 徹/大阪大学大学院医学系研究科教授
長崎大学病院感染制御教育センター長 泉川公さん
次はコチラ。長崎大学病院 感染制御教育センター長 泉川 公さんの新型コロナウイルス感染症の特徴(17分40秒まで)を紹介します。
詳細は動画を見ていただきたいんですが、コロナウイルスの特徴の部分をメモしてみました。
肺炎を起こしてなくなっていく病気。20日後に亡くなるという激しい肺炎。
引用元:長崎大学病院 新型コロナ感染防止策動画
・新型コロナウイルスとは?
新種のコロナウイルスが原因の感染症
1本鎖(+)RNAウイルス
エンベロープ表面に存在する突起によって太陽のような外観を持つ
ヒトや動物の間で広く感染症を起こすウイルス
・どうやってうつるの?
接触・飛沫感染
飛沫=くしゃみで飛ぶしぶき
接触=てについたしぶきから接触でもうつる
無症状の人でも伝播する。無症状期でもうつっている。
軽症のひとがとても多い
高齢者の感染率は低いが死亡率は高い
基礎疾患(高血圧、糖尿病、慢性基礎疾患など)のあるひとは死亡率が高い。
普通の風邪と見分けがつきにくき。
具合が悪くなって1Wくらいで入院、9日くらいで呼吸困難。これはひどい場合
治療:まだ治療法はない。HIVにつかう薬が効果ある可能性も期待されている。効き目が証明された治療薬はまだない。
泉川センター長は中国でのこれまでのデータを基に、高齢者は重症化し死亡するリスクが高くなることを示し、心血管障害や糖尿病などの持病のある人もまた同様に死亡リスクが高くなることを説明しました。
視点を変えてみよう。海外ではどう説明している?
About Coronaviruses
Coronaviruses are common in different animals. Rarely, an animal coronavirus can infect humans.
コロナウイルスはさまざまな動物によく見られます。まれに、動物コロナウイルスが人間に感染することがあります。
There are many different kinds of coronaviruses. Some of them can cause colds or other mild respiratory (nose, throat, lung) illnesses.
コロナウイルスにはさまざまな種類があります。それらのいくつかは風邪や他の軽度の呼吸器系(鼻、喉、肺)の病気を引き起こす可能性があります。
Other coronaviruses can cause more serious diseases, including severe acute respiratory syndrome (SARS) and Middle East respiratory syndrome (MERS).
その他のコロナウイルスは、重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)など、より深刻な疾患を引き起こす可能性があります。
Coronaviruses are named for their appearance: Under the microscope, the viruses look like they are covered with pointed structures that surround them like a corona, or crown.
コロナウイルスはその外観にちなんで名付けられました。顕微鏡下では、ウイルスはコロナまたは王冠のようにそれらを囲む尖った構造で覆われているように見えます。
ジョンホプキンス大学 What Is Coronavirus?より 翻訳はgoogle翻訳を使用
Coronavirus (COVID-19)
google翻訳の精度にびっくり。手直しなしでまさに翻訳という感じですね。
コロナウイルスへの解説で違う点は海外記事の方は新型コロナウイルス(covid-19)の方がSARSよりも深刻な疾患を引き起こすとして、より危険な感染症だと認めています。(本文Is this coronavirus different from SARS?の項参照)
まとめ
以上いろいろ調べてみましたが、コロナウイルスの特徴・怖い所として
- 全容がつかめていなくて情報がない感染症
- なので治療法、予防法も対処療法しか使えない、
- 無症状での感染+高い感染力で爆発的な感染が発生している
という点があると思います。よく言われていることですが、
- 手洗いうがいをしっかりする、
- 三密を避ける
という対策をしっかり行いましょう。
かつて畜産にいたときに感染症には何度もひどい目にあってきました。バタバタ、バタバタ毎日豚が死んでいって、このままじゃ全部死んじゃうんじゃないかって泣きそうになりながら毎朝仕事に行ってた時、後に死亡率を集計すると致死率30%でした。言葉にすると致死率5%とか10%って言ってますけど現実に身の回りで起こるとすさまじい恐怖感があると思います。想像してください、40人のクラスで致死率10%の病気が1か月間流行するってことは、毎週クラスの誰かひとり死んでいくってことですから恐ろしいですよね。
病気になってから頑張るよりなる前に頑張る方が1000倍くらい楽で身体にも負担がないので元気なうちに予防に努めるべきだと思います。罹って辛い思いをするのは自分ですからね!
気をつけましょうねー
参考文献・情報源サイト集
日本感染症学会 新型コロナウイルス感染所 リンク集
http://www.kansensho.or.jp/modules/topics/index.php?content_id=31
NHK 新型コロナウイルス特設サイト
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/detail/
新型コロナウイルス感染症に関する専門家有志の会
新型コロナウイルス感染症に関する専門家有志の会 https://note.stopcovid19.jp/
長崎大学病院 新型コロナ感染防止策動画
動画では本院感染制御教育センターの泉川公一センター長をはじめ、田代将人・副センター長、元川津留美・看護師長が講師を務め、施設職員が注意すべき点を約1時間でまとめています。
泉川センター長は中国でのこれまでのデータを基に、高齢者は重症化し死亡するリスクが高くなることを示し、心血管障害や糖尿病などの持病のある人もまた同様に死亡リスクが高くなることを説明しました。その上で「高齢者の多い介護・福祉施設では職員やサービス利用者からの持ち込みが多くなる可能性がある。なるべく早く感染疑いのある方を見つけて、病院につなぐことが大切」と施設内での対策の重要性を訴えました。
高齢者施設向け
新型コロナ感染防止策動画を配信 リンク
日経新聞 新型コロナウイルス感染世界マップ
https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/coronavirus-world-map/
・仲野 徹/大阪大学大学院医学系研究科教授 コラム