クレソンが苦手な湿度
戻り梅雨といった様相の最近の天気。
雨が降りそうで降らない毎日で、
気温も高く湿度も高い,
不快指数までもが高いここ1週間。
クレソンにもつらい時期のようで、クレソンにも被害が出てきています。
去年の7月もクレソンが弱っていました。
当時のブログはコチラ
原因は何かと、いろいろ考えてみました。
先月との一番の違いは「気温と湿度」ですかねぇ( 一一)
気温と湿度の関係
6月までは梅雨ということもあり、曇りがちで
気温は29℃程度。湿度は雨の日も多く74%くらい。
7月は曇りがちながらも雨までは降りきれず、
気温は33℃程度、湿度は75%~80%という推移です。
「高温多湿」とヒトコトで言いますが、気温が高いと空気の中に含まれる水分量は異なります。
気温が高いと空気は多くの水蒸気を含むことができる。気温25℃、相対湿度70%の場合、同湿度で気温20℃の場合より蒸散速度が大きくなる。
引用元:農文協 環境制御のための植物生理 39頁蒸散
つまり、梅雨時期の6月よりも梅雨明けした7月の方が
空気中の水蒸気量は多いということのようです。
今年の気温・湿度・蒸気圧・飽和水蒸気圧を表にまとめてみました。
5月6月7月の水蒸気量
こちらが2022年の5月6月7月の気温湿度水蒸気量をまとめた表になります。
データの引用元は気象庁の過去データより抜粋しました。
飽和水蒸気量は、月の日中最高気温時の飽和水蒸気量を抜粋しています。
2022年 | 5月 | 6月 | 7月 |
蒸気圧 (g/m3) | 15.8 | 22.7 | 28.2 |
飽和水蒸気量 (g/m3) | 24.4 | 28.8 | 35.7 |
湿度(相対湿度)(%) | 65 | 74 | 73 |
温度 (℃) | 25.9 | 29 | 33.1 |
簡単な用語解説をすると、以下の通りとなります。
湿度
空気中に含まれる水蒸気の度合いを表す尺度で、相対湿度と絶対湿度があるが、一般に相対湿度relative humidityを単に湿度と呼んでいる。相対湿度とは、ある一定容量の空気が含んでいる水蒸気圧とその時の気温に対する飽和水蒸気圧(最大限の水蒸気圧)との比を百分率で表したものと定義されている。
水蒸気圧
水が蒸発すると水蒸気になる。水蒸気圧(蒸気圧)とは水蒸気と液体としての水が共存しているときの水蒸気が押す圧力をいう。温度が高くなるにつれて、気体に変わろうとする分子が増えるので水蒸気圧は大きくなる。
飽和水蒸気量
飽和水蒸気量は、1m3の空間に存在できる水蒸気の質量をgで表したものである。
引用元:農研機構 農業環境変動研究センター 用語
用語解説にもある通り、気温が上がると湿度の母数となる飽和水蒸気量が増えるので、
6月7月の湿度が74%程度と変わらないように見えるけれども、
6月;22.7g/m3と7月:28.2g/m3 と空気中の水分量が増えていることがわかります。
まとめ
30℃程度までは高温多湿の環境でもクレソンは大きな被害を受けませんでした。
今月に入って33℃程度の湿度の高い日々が続いてクレソンに被害が発生した理由としては
上記にまとめたように、空気中の水分量が増えていることが原因ではないかと考えています。
クレソンは根を地中深くに伸ばすというタイプではなく、
浅く広くひろげて、水中に根を伸ばして栄養を水中から吸収しているようです。
気温が上がり、空気中の水蒸気の量が増えると
蒸散がうまくできなくなり、
必要な栄養の吸収が間に合わなくなるのではないか?
というように今回のクレソンの被害の原因の仮説を立ててみました。
どちらにしても、高気圧が張り出して安定的な晴れが続くと状態は回復すると思います。
体感的にも過ごしづらい日々なので、
この体にまとわりつくような湿度がどうにかなるのを祈っているヒロアキです。
( ˘•ω•˘ )