セミナー・アウトプット 食育教育の企画づくり

研修会に行ってきました。

先日参加した研修会が大変満足な内容でした。

忘れないうちにアウトプットです。

テーマは食農教育。

意外なテーマ選定でした。

消費者と農家のつながる機会として田植えや稲づくりなどなど、

各地域でやっていますが、そこをより盛り上げるにはどうしたらいいのか?というテーマです。

食農教育の企画づくり~脱マンネリ化のヒント~

講師は2名。

JA九州青協リーダー養成研修会:講師

食農教育アドバイザー稲垣真衣 氏
JAマインズ調布地区青壮年部 荒井俊一 氏

今日のブログでは食農教育アドバイザーの稲垣氏のお話をアウトプットします。

食農教育と言われて、

よくイメージされたり実施されている、稲刈りや芋掘りは

食農教育ではなく「収穫体験」

という言葉から始まった講演。

利益を求める企業でさえも食育に取り組むのに、

農家の食農が収穫体験ではもったいない!

と語る稲垣氏。

企業は自社製品の認知向上、また企業イメージの向上という目的のために、

無償での食育活動や工場見学をおこなっている。

食農教育も同様ではないだろうか、と語りかける。

食農教育の目的は「地域農業のブランディング」と言い切る氏のモットーは、

体全身・五感を使って・自分で考える。→ 説明するのではなく、?を与えて考えさせる

という点がキーであり、

未知の畑や農業を体験して驚き、

既知の食材を料理するまで行うことで自分事となる

という一連の流れでファンへと引き込むというメリットが農家側にあると説く。

ケーススタディ

例として、ネット上で見つけた食農教育の記事に氏のプログラムを当てはめてみる。 

5.なぜ食農教育が必要か


 食農教育というと、つい子どもを対象にしたもので、
大人には関係ないものと捉えている人が多いと思うの
は、私自身がそうだったからだ。

【収穫前講義】

生協の共同購入で取っ
ていた牛乳を生産している農家を見学に行った時は、
大人の社会見学に参加するというレジャー気分でバス
に乗った。牧場に着くまでの1時間半は、乳業メーカー
の担当者から質問が出され、クイズ形式で楽しみなが
ら酪農について勉強した。子どもを育てる母親として、
それなりに食べ物のことを考えているつもりでいたが、
クイズの答えは間違いばかりで、笑ってごまかしていて
も、心のなかは引きつっていた。例えば、こんな質問
があった。
 「牛の歯についてです。次の3つから選んでください。
①前歯は上下同じ数ある、②前歯は上しかない、③
前歯は下しかない」
 正解は③なのだが、牛の歯について考えたことはな
いので、どれを選択することもできなかった。牛は草
が主食で、長い舌をぐっと出して草をからめて口に持っ
てきて、それを下の歯でぎゅっとしゃくり上げてちぎっ
ているから、上の歯はいらないらしい。また、牛の胃
袋はいくつあるかを答えられる人は多いが、4つの胃の
それぞれの働きを知っている人は少なかった。草のセ
ルロースは人間には消化できないが、牛は草から栄養
を取るために4つの胃が必要で、牛の体重の3分の1
が胃袋の重さだとクイズを通して教えられた。知らない
ことばかりで落ち込んだ気持ちで降り立った牧場は広
大で、放牧地では牛たちがのんびりと草を食は
んでいた。

【収穫体験】
 澄んだ青空の下、堆肥作りなどの説明を聞いている
時、牛舎に向かってスタッフが走っていくのが見えて、
緊張した空気が走った。子牛が生まれたのだ。私たち
見学者は、命の誕生の瞬間を見ることができた幸運に
気分が高揚し、いたいけな赤ちゃん牛の姿に胸がいっ
ぱいになり、拍手をした。そして尋ねた。この牛はど
の牛舎で育てるのですか、しばらく母牛と一緒にいら
れるのですか。私たちの質問にスタッフの方が淡々と
答えた。
 「この子は男の子なので、1週間ほどで、肉にするた
めに育てられる牧場に行き、1年半ほどで肉にされま
す」
 メスはそこで育てられて出産をして乳を出すが、オス
は生まれた瞬間から肉になる道しか歩めない。そんな
ことも私は知らなかったのだ。自分が飲んだり食べた
りしているものがどのように生産されているかの知識や
情報をもっと得たいと思った。

偶然見ることができた
牛の出産で、酪農と畜産の結び付きを学んだ私だが、
多くの人はなかなかそういう機会に恵まれることはない
からこそ、カリキュラムをきちんと組んだ取り組みが必
要だと思う。
一例を紹介しよう。
①【収穫前講義】牛乳がどのようなルートをたどってわれわれの手
 元まで届くかについての説明や、牛の飼育に必要
 な道具の説明や飼料についてなどを、スライドな
 どを使って視覚的に興味を持たせる。
②【収穫体験】子牛の哺乳で、あっという間に哺乳瓶を飲み干す、
 舌の力とたくましさを子どもたちに知ってもらう。
③【収穫体験】乳しぼり体験で、牛の体温の温かさに触れさせる。
 乳房からビューッと飛び出す瞬間を体感させる。
④【収穫体験】ラップサイレージ(円筒状に丸めた牧草をラップ
 で巻き、空気を遮断して作るサイレージ)の作成
 の見学をして、牧草が機械で自動的にラップされ
 るのを見せる。
⑤【調理前講義・調理実習】ペットボトルに牛乳を入れて振ると、水分と脂肪
 分に分かれてバターができることを知ってもらう。


 牛乳は牛の生命の営みのなかで作られる副産物で、
殺菌や加工した後にしか消費者の口に入らない。だか
らこそ、農産物であることを理解してもらう方法として、
農家の方の話を聞く機会が必要だと思う。
 現代の家庭の食生活は、農産物などの材料を買って
きて、元の姿が分かるものから調理する機会が激減し、
調理済み食品や加工品で賄われている傾向がどんどん
高まっている。加工度が上がれば上がるほど、産地や
栽培方法などに関心が薄れ、材料が外国のものである
ことに気が付かなかったり、作り方にこだわりがなかっ
たりする人が増加していく。

JC総研レポート/2014年 春 発行/VOL.29 今あらためて、食農教育を進めるために 作家 森 久美子

印象深いのは、「考える機会をつくる」ということ。

答えを教えるのではなく、「体験して感じて考える」ということが重要なんだそうです。

まとめ

講演を聞いてワクワクしてきました。

食農教育という考え方と方法論を学んだので、

これから夏休みの時期にも入ることもあり、

さっそくイベントを考えたい!

と思ったヒロアキでした。