春を感じる

2月の最終日、

今日の予報は4月のような陽気だそうで、

お昼間に外に出ると暑くなるような陽気となっています。

朝は霜が降りているくらいの冷え込みから、

日中のこの陽気で体調をくずさないか心配しているヒロアキです。

今日もクレソン収穫中です。

春を先取りしたようなクレソンを見つけたのでパシャリと一枚撮影しました。

花をつける時期に多い、小さな枝分かれしたクレソンです。

3月に変わるということで、もう春は始まっているんだなーと感じています。

植物の病気について

春は気温差もあって、

小ねぎの栽培では、朝晩の気温差でハウスの開閉に気をつけなければならない時期になります。

就農当初は、この時期に小ねぎの病気に苦しんでいたなーと思い出されます。

植物の病気はあっと言う間に畑全体に広まるから怖いんですよね。

そうそう、

本を読んでいたら植物の病気についてのお話しで、すごい話を聞いたので紹介します。

題して、植物の病気が引き起こした最大の悲劇。

アイルランドのじゃがいも飢饉

  植物の病気なんて、農家の人しか関係ないんじゃないの?と思う読者の方も多いかもしれません。しかし、長い農耕の歴史の中で、人類は幾度となく植物の病気に苦しめられてきました。植物の病気が人類に与える最大のインパクトは、やはり農作物の減収を引き起こすことです。そして、ときにそれは人間社会の構造までも大きく変えてしまいます。植物の病気が引き起こした最大の悲劇と形容してもよい「アイルランドのじゃがいも飢饉」の紹介から話をはじめたいと思います。

 アイルランドに、北米からじゃがいも疫病菌が侵入してきたのは、1845年のことでした。じゃがいもは原産地が南米のアンデス地方であり、それを15世紀にスペイン人が持ち帰ったことでヨーロッパでも栽培されるようになった作物です。そのためじゃがいもに感染する疫病菌は、もともとヨーロッパン存在しませんでした。1845年のアイルランドは、低温で霧や雨の多い、じゃがいも疫病菌の蔓延にもってこいの環境でした。この年、アイルランドではじゃがいも収穫が疫病菌により25~30%ほど減収になったと記録されています。アイルランドの貧農にとって、3割の減収はおおきな痛手でした。しかし、それは疫病の恐怖のほんの序章に過ぎなかったのです。
 ここでご留意いただきたいことは、先に述べたようにアイルランド人にとって疫病の発生は初めての出来事だったということです。また、その当時、植物の病気が微生物によっておこるということさえ、科学的な知識として確立されていませんでした。だから、いったい何が起こったのか、どうすればよいのか、誰もわからなかったのです。現在であれば、病気が発生すれば、罹病植物は圃場あら徹底的に排除されますが、原因がわからなかったその当時は、病原菌によって枯れたじゃがいもの残渣の多くが土中に残されることとなりました。このような状況の中、翌1846年には必然的にさらなる悲劇がアイルランドを襲うことになりました。この年のじゃがいもの収穫量は75~97%の減収になったとされています。壊滅的な疫病の発生です。しかもこの壊滅的な状況が1849年まで4年間も連続して続くことになったのです。パンやオート麦を食べていた本国イギリスでは大きな影響はありませんでしたが、じゃがいもを主食としていたアイルランドの小作農たちには、この連続の疫病被害により、地獄絵図のような状況がおずれていました。多くの人達が餓死、あるいは栄養不足からコレラやペストなどに罹りなくなりました。その人数は、少なく見積もっても100万人とされています。当時のアイルランドの人口は800万人ほどでしたから、10人に一人以上の割合であり、まさに地獄のような状況であったと思われます。
 理由:根本原因はじゃがいも疫病菌がはじめてヨーロッパに持ち込まれ、対処法もないまま、大きな被害をもたらした。
じゃがいも以外の作物は普通に収穫されていたにもかか人工の25%もが失われる事態となったことは、冬至のアイルランドの社会構造を抜きには考えられないことです。
アイルランドの社会構造⇒当時アイルランドはイギリスに併合された被占領地であり、アングロサクソンとケルト、イギリス国教徒とカトリック教徒といった民族、そして宗教的な差別構造が領主と農奴とのあいだにあり、飢えている人たちを社会で一体感をもって救済しようとする政策が施されていませんでした。このイギリス政府の無策への反感が民衆の心に溜まったエネルギーとなり、1921年にアイルランドは再び独立を取り戻します。
 目に見えない小さな病原菌が、アメリカ大陸からヨーロッパに運び込まれてきた。実にささいに思えるこのことが、このように人間社会に大きな影響を与え、歴史や文化のありようまで変えてしまう。じゃがいも疫病菌は、植物の病気がもつ影響力の大きさを実感させてくれる、特筆すべき例となっています。

引用元:日本植物病理学会(著) 植物たちの戦争 ―病原体との5億年サバイバルレース―

まとめ

2023年の現在でも植物の病気の影響は大きくあります。

サツマイモが腐る伝染病「サツマイモ基腐(もとぐされ)病」が、鹿児島県内の焼酎メーカー各社に影を落としている。過去最悪だった2021年産ほどの発生ではないものの、原料の芋を十分に確保できていない。一部商品の販売休止を続けたり、生産量が計画に届かなかったりする例が出ている。

引用元:南日本新聞 焼酎原料のサツマイモが確保できない…基腐病、鹿児島県内メーカーに影響 販売休止や生産計画に狂い 焼き芋、スイーツ人気で取り合い

霧島酒造の霧島の紙パック販売が中止になったりと、

身近なところにも影響がでる植物の病気が今でもありますね。

特にクレソンは殺菌剤の登録がないので植物の病気には気をつけなきゃ!