「ホテルにお客さんがつくんじゃないよ、ホテルマンにお客さんがつくんだよ」

by谷村新司

 なんでホテルで働いてるわけでもないのにホテルマンの話なんかするのかって?先日車を運転してたらたまたま流れていたラジオでとってもいい話を聞いたのでブログに書きたくなったからですよ。

どんな話だったかって云うと、歌手の谷村さんがもう30年近くホテルでディナーショーをしているということからこのお話が始まったわけです。とある縁からニューオータニでディナーショーを始めるということになって、最初の打ち合わせの時に「僕(谷村さん)とホテルが損をして、お客さんだけが得をして帰るようなディナーショーをしたい」とホテル側に気持ちを伝えると、そのホテルのホテルマンは「望むところです」と答えて実際に会場一面をバラと赤いじゅうたんで飾って第一回目のショーにいどんだそうです。そのホテルマンの方の返事と対応を見て谷村さんは「何があってもこのホテルでディナーショーをしたい!」と思って、実際に30年以上そのディナーショーは続いているという話でした。

 そして冒頭の言葉に続くエピソードなんですが、そういった縁があってか、ホテルの専門雑誌に中国の若いホテルマンを教育する日本の優秀なホテルマンの話を谷村さんが書いたそうです。あまりホテルの仕事に身が入らない中国人の従業員に、「ホテルにお客さんがつくんじゃないよ、ホテルマンにお客さんがつくんだ」と語って、ホテルマンの職業倫理をしっかり伝えることが出来た、というコラムだったようで。ここからが面白かったんです。これを読んだ全く関係のない帝国ホテルのホテルマンの人が、たまたま帝国ホテルを訪れた谷村さんに、タイミングをうかがって「あんな素晴らしいコラムを書いてくれてありがとう!」と声をかけてきたそうです。声をかけられた谷村さんはとても嬉しかったようで、「こんな素晴らしい人と一緒に仕事が出来るといいな」と感じたと話していました。実際に数年後帝国ホテルの声をかけてくれた人とディナーショーの仕事をするようになって、こちらも10年以上続いているそうです。

 農業と関係ない話じゃない?と思われるかもしれないけれど、これからはそうでもなくなるかもしれないです。今日コンサルでいろいろと相談事をしてきましたが、これからの農業は人柄でモノを売っていくようになるんじゃないかという話をしました。その時にこのラジオの話を思い出して、こんな風な素敵な縁で仕事が広がっていくようになるなんて素敵だなぁと、そうなりたいなと、熊本市西区花園の畑で思った次第です。